現場とゴルフ
                            2006年の抱負
                                               060108

・ゴルフの理想はフェアウェイを常にキープし、できるだけ遠くに飛ばすことですよね。しかし、コースによってはフェアウェイが平らでない場合もあります。折角まっすぐ遠くに飛ばしておきながらセカンドショットは左足下がりのつま先下がりという場合もあります。

・私が以前所属したコース「小田原ゴルフクラブ(日動御殿場コース)」は山あり谷ありのコースで、フェアウェイセンタに飛ばしても平らな状況でセカンドを打たせてくれません。

・職場の若者を連れてコンペを行ったことがあります。同伴プレイヤの若者がショートホールのティーグランドに来て一言「どちらに向かって打つのですか?」目前の100ヤードほどの谷を越え20ヤード前後高台にあるグリーンを狙うレイアウトなのです。ですから初めての方にとってはまさか谷越え100ヤードの方角に打ち出すとは思えなかったのです。それくらいホールレイアウトは厳しい(むしろひどい?)状況でした。

職場の先輩と一緒にプレイしたこともあります。その方は95前後でまわる力を持っています。もともとロングヒッターではなくプレイスメントが上手な方です。結局飛ばないせいか、大振りをせず着実に運ぶ攻め方をされたので終わってみると42でした。本人にとってはナイススコアなわけですが、先輩いわく「ここはゴルフ場でないね」

・お蔭様で平坦な広々としたコースでプレイすると常にやさしく感じます。といっても深いラフや林の中など裏街道でのプレイを余儀なくされることもあるのでそんな時自分のコースでの厳しい体験が役立ちます。

・さて、仕事ではどうでしょうか?自分の挑戦意欲を掻き立ててくれる上司に恵まれ成果を出しつつ王道を歩む。現場での泥臭い作業よりも机上でのビジョン策定、幹部の資料作りといった平坦なフェアウェイセンタをロングドライブする。セカンドショットは当然楽にグリーンを捉える。ところがそればかりでは現場で何をしているのかわからず、幹部受けする資料を作成しても現場に浸透しない内容となる方が多いかもしれません。

・以前ダンロップフェニックストーナメントの行われる宮崎フェニックスでプレイしたことがあります。昨年はタイガーウッズと横尾要がプレイオフでデッドヒートし、結局タイガーが優勝したコースです。私がプレイした時はショットの調子がよく常にフェアウェイのセンタに飛んだこと、林の中やバンカーでトラブルことがなく初めてのラウンドで85前後でした。

・テレビでよくみかけるトラブルショットがなかったせいか、あたかも都内の河川敷のような淡々とした易しいコースという印象だけが残っています。タイガーもプレイする名門コースに対してこんな印象では誘ってくれた方に申し訳なく感じます。恐らく裏街道でのトラブルショットを一度でも経験していれば名門コースの厳しさを味わされ、設計者の心に触れることができたかもしれません。

・先日、お客様と対話する機会に恵まれました。彼は大手証券会社で若くして最も早く執行役員におなりになったエリートです。彼の出世コースは通常の方々とは異なるそうです。証券そのものでの出世街道ではなく出向によるどろどろした現場経験が長かったとのこと。そうした経験があるからこそ今大きな声で現場力が重要であると力説されていました。フェアウェイの真ん中ばかりを歩くシングルプレイヤーには現場の何たるかを知らない。それよりも林の中や深いラフ、バンカーなど裏街道をたくさん経験した人物こそ現場をよく理解し会社の進むべき道を導き出すと。

・ゴルフも仕事も王道ばかり歩むのでは大きくなれないということですね。 私の属していたコースが難しい(劣悪な?)設計だったことが幸いし他のコースでのトラブルショットに対し旨く 処理することができるようになりました。そうした現場経験があったからこそ今私は シングルプレイヤーになっています。あの劣悪な厳しい難しいコースに感謝するとともに今の職場、まさに現場そのものでの体験を大切にしていくことにします。